男と女の官能雀ゴロ日記[1]

いつもと同じように定期券を取り出し改札を潜ろうとすると自動改札のゲートが閉まる。 (そういえば昨日で定期が切れていたな…) しかたなく切符を買いに券売機へ向かう。 改めて改札を潜ると、ホームの方から階段を上ってくる大勢の人達とすれ違う。 今から急いでも間に合わないだろう。 切符を買っていたおかげで電車を一本乗り過ごした。 まあいい、次の電車が来るまでクエストの一つでもクリアしてやろう。 ポケットからPSPを取り出し電源を入れる。 クエストの途中で電車が到着した。いつも空いている車内だ。 適当に開いてる席に腰を降ろしクエストを続ける。 二匹目のモノブロスが見つからない。 新宿駅で空いていた隣の席に男が座った。 近くに人がいるとゲームに集中できなくなりミスを犯しやすくなる。 案の定、普段なら避けられる筈の攻撃を受け一死してしまう。 「チッ!」 私は隣の男に聞こえるようにわざと舌打ちをした。 そうこうしている内に、降車駅に到着した。 改札へ向かうエスカレータの上でようやくクエストをクリアする。 今度は間違えずに切符を取り出し無事に改札を潜った。 帰宅途中、晩飯を買う為いつものようにコンビニへ寄る。 数冊の雑誌を立ち読みし、お弁当コーナへ向かうとから揚げ弁当と生姜焼き弁当しか残っていなかった。 試しに麺類のコーナを覗いてみるとそちらにもろくな物が残っていない。 しかたなく生姜焼き弁当を手に取り、ついでにマカロニサラダもカゴにしまう。 昼間、食事を摂っていなかったので、デザートにエクレアも追加した。 レジで会計を済ませると、店員がクジの入った箱を差しだし一枚引けと言う。 どうやら一定額以上購入するとくじが引けるらしい。 私は無造作に箱の中に手を入れ一番上にあったくじを取り出す。 くじにはプリンの写真がプリントされていた。 店員がひったくるように私の手からくじをとり奥へと消える。 もう一人の店員が生姜焼き弁当を温めている間に先ほどの店員が戻ってきて、レジ袋の中に無言でプリンをしまう。 どうやらプリンが当たったらしい。 (プリンが当たるならデザートにエクレアなんて買わなかったのに) そう思った私は 「エクレア返品していいですか?」 と店員に尋ねると、 「エクレアを返品すると合計金額が足りなくなって、くじが引けなくなってしまいますけど?」 という答えが返ってきた。 そうするとプリンが貰えなくなってしまう。 私はしばらく悩んだ末、エクレアの返品を諦め デザートにエクレアとプリン両方を食べることを決断した。 (つづく)

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